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阪神大震災を教訓に

1995年1月17日5時46分。　　関西に住む私たちにとって、忘れられない瞬間です。
神戸・淡路の街を襲った突然の大地震。震源の淡路島北部では、マグニチュード7.3。
神戸・洲本で震度6～7、京都、豊岡、等で震度5、大阪、奈良、和歌山、姫路などで震度4を観測する未曾有の大地震となりました。

死者約6,400名、負傷者約40,000名、という戦後最悪の人的被害を被りました。
また、全壊約105,000棟。半壊約144,000棟という凄まじい住宅被害も出ました。

電気・ガス・水道のライフラインは１週間ほど完全にストップ。
水が使えないので、食事を作ることも風呂に入ることも出来ず、トイレからは日増しに悪臭が漂ってくる。
近所の小学校に水を汲みに行き、ガソリンスタンドに２時間並んで給油。石油ストーブの石油が切れてからは、毛布にくるまって寒さに耐えた。
今まで当たり前のように、してきたことが何も出来ない。
これから先、どうなるのか不安で仕方なかった。

基礎だけでなく、地盤もしっかり！

この震災の後、家に対する考えは随分変わった気がします。
「あなたのところの基礎は大丈夫ですか？」と、必ずと言っていいほど質問されます。

２×４の住宅は、建物自体はとても丈夫なのですが、この丈夫さが仇となり、基礎ごと横倒しになった家もありました。基礎が弱いと建物が強くても意味が無い、みんな身を持ってそれを学んだのです。

しかし、土地自体の地盤の強さへの関心はまだまだ薄い。地盤が弱い土地の場合、補強に思いも掛けない費用が掛かることがあります。
土地を購入する際には、必ず地盤をチェックしましょう。

命あっての住まい。丈夫でしっかりとした家づくりの第一歩は地盤にあります。震災を通じて学んだことを大切に、家族の命を受け止める家をつくりましょうよ。

根拠のない大丈夫！

2005年、日本中を揺るがした耐震偽装問題。まさか、そんなことをする業者がいるなんて！
人の命を包みこむ家。
そのための基準となる法律。
それを守らないなんて、本当に信じられませんでした。
この事件以降、襟を正した業者も多いですが、中にはまだいい加減なことをしている業者も存在します。

「この土地は、今の家が何十年も建っていたから、地盤調査をしなくても大丈夫ですよね？」。

いえいえ、大丈夫ではありませんよ。
建築基準法が定められる以前に建てた古い家では、地盤調査の必要はありませんでした。
何十年も、傾くことなく家が建っていたのは、たまたま運が良かったから、という言い方もできるのです。
建築基準法が定められている現在では、家を建てるに当たって、きちんと地盤を調べ、必要に応じて地盤補強工事を行い、一定の強さの地盤を確保しなくてはなりません。

しかし、ごく稀に家を売る側の人が「ここは、何十年も家が建ってたんで大丈夫ですよ」
なんて信じられない事を言うことがあるのです。
こうまで、ハッキリ言わなくても「地盤はまぁ大丈夫ですよ」なんて、調査もしないまま安易に「大丈夫」と口にしてしまう業者もいます。

地盤調査してますか？　「大丈夫！」の後にはデータを要求しよう。

彼らは、なぜ地盤調査をしないのか？「何十年も家が建っていたから大丈夫」という根拠のない自信でしょうか？。
また、地盤調査をして地盤の補強が必要となった場合、莫大な費用が掛かってしまう可能性があります。
そうなると補強工事の分、販売価格が高くなり家が売れなくなってしまう。

ただそれだけの理由です。

こんな酷い業者に捕まらないために、必ず「地盤は大丈夫ですか？」と聞いてみてください。
「大丈夫ですよ」という答えが帰ってきたら、すかさず「ではデータを見せてください」

きっちりと地盤調査をしていれば、建築基準法をクリアしたというデータが残っているはずです。
「地盤調査をしなくても、うちはベタ基礎ですから安心です」なんて答えもダメです。
ベタ基礎であっても、下の地盤がゆるければ意味がありません。

家を建てるときには、まず、第一に地盤がどうなっているのか？建築基準法の基準を満たした安全な地盤なのか？をしっかり確認してください。
古い家を解体して、新しい家を建てる場合も同じです。
必ず地盤調査を行って、必要に応じた補強工事を行いましょう。

そして調査もしないままに「大丈夫！」という業者とは、手を切ってください。
「根拠のない大丈夫」の上にあなたの大切な家を建ててほしくありません。
しっかりとした根拠の上に、安全で安心して暮らせる家を建てましょうよ。