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外断熱…
現代の家では、外の温度に影響されにくくするため、断熱するのが一般的です。
「外断熱工法」。住宅情報誌やテレビCMなんかでよく目にするけど、一体なんなの?
ちょっと難しいのですが、断熱工法について、できるだけ簡単にご説明します。
断熱工法…
私たちが、家でくつろいでいる時、その家をしっかりと支えてくれている、基礎、柱、壁、屋根等を構造躯体といいます。
冬の寒い日に、温かい部屋の温度を守りたかったり、せっかくエアコンで居心地のよくなった室内環境を、保ちたい時、構造躯体の室外側に断熱施工をしたり、部屋側に断熱施工をします。
断熱の方法は、大きく分けて4種類。
ひとつは、みんなが良くしっている『内断熱』。
それにたいしての『外断熱』。
一般の人には、あまり聞きなれない『充填断熱』。
TVコマーシャル等で、よく耳にする『外張り断熱』です。
温めにくい材料・冷めやすい材料
構造躯体は、材料の特性で、熱を蓄えやすい物(コンクリート・石等)と、熱を蓄えにくい物(木材・鉄等)がありまして、熱を蓄えやすい物を熱容量がおおきいといいます。
・熱容量が大きい物に対し
日本建築学会による断熱工法の定義では、マンション・ビルに代表される鉄筋コンクリート造(RC造)など、熱容量の大きな躯体の外側に断熱材を施工する方法を『外断熱工法』、逆に躯体の内側に施工する方法を『内断熱工法』としています。
・熱容量が小さい物に対し
木造住宅のように熱容量の小さな躯体の場合、構造部材間に断熱材を施工する『充填断熱工法』に対して、躯体の外側に断熱材を施工する方法を『外張断熱工法』と呼んでいます。
鉄筋コンクリート造りの外断熱工法・内断熱工法とは効能が大きく異なるため、明確に区別されています。
『充填断熱』と『内断熱』は、明らかに違うものですが、建築関係の人のなかでも、混同してしまっている時もありますので、一般の方には非常に解りづらくなっているのかもしれません。
『充填断熱』は、柱と柱の間にある壁の中に断熱材を入れます。
これに対して『外張断熱』は、断熱材で建物全体を覆うようにして、壁と柱の外側から囲ってしまいます。
外張断熱のメリット
では、『外張断熱』にすれば、どんなメリットがあるのでしょうか?
・最大のメリットは、家の寿命を短くする原因のひとつである壁内結露の防止効果が高いこと。
・結露を抑えることで、カビ・ダニも発生しにくくなります。
結露は、湿気を多く含む空気が冷たい物体により冷やされ、水滴に戻ることで起こります。
この場合の冷たい物体とは、壁の中の構造材。
外張断熱にすると、外側から全体を断熱するので、壁の中の構造材と室内との温度差が少なくなり、結露が発生しにくくなる、というわけです。
外張断熱のデメリット
全ての物には、メリットとデメリットがあって、今現在、完璧な材料という物は存在しません。『外張断熱』には、どんなデメリットがあるのでしょうか?
・まずは、材料、工法共に価格が高いということになるでしょう。
・外部の柱・壁等の外側に設置するため、断熱性能を良くすればするほど外壁の厚さが必要になるため、広い敷地が必要になります。
・地震の多い我が国では、外装材には、できるだけ軽量の材料を選ばなければならず、外装材の選択の巾がせまくなります。
目的のための手法の違い
断熱工法の主流であった『充填断熱工法』は大手ハウスメーカーのS社、高級輸入住宅のS社、又、一般工務店の多くが採用している工法でもあります。
一方、『外張断熱工法』は大手ハウスメーカーのD社、ローコスト住宅大手のT社などがあります。
近年、日本でも、ドイツ生まれのパッシブハウスも誕生しています。
その他、外張断熱材の材料の厚さ50mm以上のものは、調達等なかなか難しいことも影響してか、外張断熱と充填断熱の併用の工法もでてきています。
「外断熱」「内断熱」といっても、目的は「省エネ」と「住まいの快適さ」ではないかと思うのですが、あなたはどう考えますか?
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