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風の通り道をつくろう

夏は、クーラー。冬は暖房。
どちらも全く使わない、というご家庭は少ないと思います。
空調を効率よく使って、家の中の温度を一定に保つ。

これは、現代の“快適な家”に欠かせない条件のひとつです。
そのためには、まず家の気密性を高める必要があります。

と同時に、換気のシステムを考えておかなければなりません。
うまく換気できない家では、カビやダニ、ほこりに悩まされることとなってしまいます。

汚れた空気は外に、新鮮な空気は中に

換気とは、汚れた空気を排出して、外の新鮮な空気と入れかえること。
換気がうまくできず、常に汚れた空気が充満していては、体に良いはずありません。
さらに換気をすれば、湿気も一緒に外に出すことができます。

湿気が建物に及ぼす悪影響については、3-29【家が長持ちしないのは・・・】でお話しした通り。
家族と家の健康のために、換気は非常に重要なことなのです。
それでは、ここで効率の良い換気と風通しの方法についてみてみましょう。

効率の良い換気・風通しのポイント

１．２つの窓を対面させる

先ほどもご説明した通り、換気とは空気を入れ替えること。
１つの窓から汚れた空気を出し、新しい空気を取り入れるより、２つの窓を開け、空気の入口と出口を分けてあげる方が、ずっと効率よく換気できます。

そして、この２つの窓が離れていればいるほど、部屋の中に大きな空気のうねりが出来、広い範囲の湿気を追い出すことができます。

加えて、窓の位置を決めるときには、湿度の高い夏、風がどちらから吹いてくるかを意識してください。
高槻では、春は北から西、夏から秋にかけては東から北、冬は西ないし北の方角から風が吹いています。
このことを頭に入れて、窓の位置を考えてみましょう。

２．上下に風の流れを

２つの窓を設けるとき、一方を高く、もう一方を低くすると、風が通りやすいです。
上下の位置関係で窓を設置すれば、暖かい空気は上へ、冷たい空気は下へと抜けるので、部屋全体の湿気を取り払うことが出来ます。
また、開閉式の天窓は、採光だけでなく、通風口の役割も果たしてくれます。

３．片側に２つの窓をつけるなら高低差をつけて

どちらか一方にしか窓を設置できない場合、できるだけ床に近い低い窓と、天井に近い高い窓を設けることで、風の流れをつくることが出来ます。

４．建具を工夫して、換気しやすい環境を

風呂場や納戸など、湿気のこもりやすい場所は、ガラリを用いると良いでしょう。
ガラリとは、外部に対して目隠しをしながら換気ができる通気口のことです。
鎧窓（よろいまど）とも呼ばれています。

勝手口のドアにも換気しやすいものがあります。
また、窓に丈夫な格子を付けておけば、その部屋にいない時に、開けっ放しで換気していても安心ですね。

窓には換気という大切な役目があります。
「どうしても出窓にしたいから、こちら側に窓を」、
「大きな窓１つだけの方がバランスがいいから、窓は１つで」。などと、デザイン面のことばかり考えず、風の通り道を意識して、窓の位置を考えましょう。